「禁止されていない」と答えたのは、47.4%だけ
「飲食店などが鳥刺しを出すことは、法律で禁止されていると思いますか」。全国の487人に聞くと、「禁止されていないと思う」は47.4%でした。「わからない」が38.2%、「禁止されていると思う」が14.4%です。
先に答えを言うと、鶏肉の生食を禁じる国の法律はありません。ただし、禁止されていないことと、安全であることは別の話です。この記事では、法律とリスクがどのくらい知られているかを見ていきます。
この記事は、トリサシサツマが全国の487人に行ったアンケートの結果です。調査の方法と全体の結果は、アンケート結果のまとめにあります。
正しく答えられた人は半分以下

「禁止されていないと思う」と答えた人は、半分に届きませんでした。残りの52.6%は、「わからない」か「禁止されていると思う」です。
牛のレバーと豚肉は、生食用として出すことが法律で禁止されています。鶏肉には、この決まりがありません。
決まりの詳しい内容は、次の記事にまとめています。

「禁止だと思う」のに、食べたことがある人が19人

食べたことがある人ほど、「禁止されている」と思う人は減ります。それでも、経験者の8.7%は禁止だと思っていました。
人数で言うと、「禁止されていると思う」と答えた70人のうち、19人は鳥刺しを食べたことがあります。しかも、そのうち13人は「また食べたい」と答えました。禁止だと思いながら、食べて、また食べたい。なかなか正直な答えです。
この料理を知らなかった72人では、25.0%が「禁止されていると思う」でした。初めて聞いた人の4人に1人が、まず「それは禁止では?」と感じたことになります。
月に1回以上食べる人でも、全員は答えられない
月に1回以上食べる14人では、12人が「禁止されていないと思う」と答えました。残りの2人は「わからない」です。年代では、20代の18.0%、30代の17.7%が「禁止されていると思う」で、40代以上(12%前後)より高くなりました。
レバ刺しを食べたことがある人では、「禁止されていると思う」は8.1%。食べたことがない人では16.8%でした。生肉料理になじみのある人ほど、決まりの違いを知っているようです。
「新鮮でも食中毒のおそれがある」を知っていた人は55.6%
次に、鶏の生食について知っていたことを選んでもらいました。

「新鮮な鶏肉でも、生で食べると食中毒のおそれがある」を知っていた人は55.6%。「どれも知らなかった」は35.5%でした。3つすべてを知っていた人は、35人(7.2%)しかいません。

どの項目も、食べたことがある人のほうがよく知っています。ただ、気になる数字もあります。経験者の36.7%は、「新鮮でも食中毒のおそれがある」ことを知りませんでした。
子どもや高齢者、妊娠中の人は控えるよう呼びかけられていること。これを知らない経験者は61.0%です。この項目は男女の差が大きく、知っていた人は女性が37.9%、男性が19.5%でした。
リスクを知っていても、「また食べたい」は変わらない
リスクを知っている経験者の81.2%が、「また食べたい」と答えています。知らない経験者は80.0%。ほとんど同じです。知っている人は、知ったうえで食べ続けています。
「鶏刺しは「新鮮だから」食べられるわけではないので、他県民の皆様、特に飲食店勤務の方は勘違いしないようにして欲しい。」30代女性・鹿児島県
「食べるときは自分の体調が万全なとき、専門店でいただくようにしています。」30代女性・千葉県
出典:厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
みんなが求める「基準」を、知っている人は15.0%
鹿児島県と宮崎県には、生で食べる鶏肉についての独自の衛生基準があります。これを知っていた人は、全体の15.0%でした。
ここで、別の設問を思い出してください。食べてみたい条件の1位は、「衛生基準を満たしていると分かる店なら」(70.4%)でした。ところが、この条件を選んだ343人のうち、実際に基準があることを知っていたのは15.5%です。
基準があるなら食べてみたい。でも、基準があることは知らない。求めているものと、知られていることの間に、大きなすき間がありました。
鹿児島県か宮崎県に住んだことがある16人では、11人(68.8%)が知っていました。九州に住む人全体では29.3%、九州以外では13.7%です。
「数年後、提供にあたり大変厳格な衛生ルールや基準が設けられていると知り、深く納得した思い出があります。」30代男性・福岡県
「なじみがないのではっきりとした基準を設けてほしいです。」60代以上女性・千葉県
国は、生食用の鶏肉の衛生基準について、ガイドラインを作る方針だと報じられています。経緯は、次の記事で整理しています。

回答者を6つのタイプに分けると
最後に、選択式の答えをもとに、回答者を6つのタイプに分けてみました。

| タイプ | 割合 | 記述に多い内容 |
|---|---|---|
| 年に数回以上食べる | 10.9% | 信頼できる店で食べる 食感と醤油 |
| たまに食べる・また食べたい | 25.5% | すすめられて食べた 地元に店がない |
| 食べたが、もう食べたくない | 8.4% | 体調を崩した話 病気の情報 |
| 食べたことはないが、食べてみたい | 20.9% | 機会がない 安全な店なら |
| 食べたことはないが、条件つきなら | 18.7% | 食中毒が心配 基準が分かれば |
| 食べたことがなく、食べない | 15.6% | 生の鶏肉に抵抗がある |
食べないと決めている人は15.6%でした。残りは、経験者か、条件しだいで考える人です。好きか嫌いかの2つではなく、その間にたくさんの人がいます。
アンケートのほかの結果
数字の話はここまでです。最後の記事では、回答者が書いてくれた「初めて食べた日の話」を紹介します。

全国487人アンケートの記事
- 結果のまとめと調査の概要
- 鳥刺しといえば宮崎?鹿児島?
- 食べたことがある人は何割?
- 食べない理由と「食べてみたい」人
- 法律で禁止?リスクは知られている?(この記事)
- 初めて食べた日の話(回答者の声)
このアンケートは、鳥刺しを食べることをすすめる目的のものではありません。数字とグラフは、出典として「トリサシサツマ」の名前とリンクを付ければ引用できます。