こわごわ食べて、おいしかった。166人の初体験
全国アンケートの最後に、鳥刺しの印象や思い出を自由に書いてもらいました。届いた記述は166件。いちばん多かった話の流れは、「こわごわ食べてみたら、おいしかった」でした。
上司に連れられて、旅先で、父にすすめられて。初めての一皿には、たいてい「だれか」がいます。食べた人の思い出から、まだ食べていない人の想像まで、回答者の言葉をそのまま紹介します。
この記事は、トリサシサツマが全国の487人に行ったアンケートの結果です。調査の方法と全体の結果は、アンケート結果のまとめにあります。
166件を読んで、話題を数えてみた
記述を書いてくれたのは186人。そのうち25字以上のものが166件ありました。食べたことがある人が99件、ない人が67件です。

食べたことがある人の記述では、「おいしかった」が59件。その一方で、28件が「最初は不安だった」「驚いた」と書いています。

食べたことがない人では、食中毒への不安が36件でした。「おいしそう」「興味がある」も14件あります。件数は言葉をもとに数えた目安で、1件が複数の話題に入ることがあります。
食べる前:「本当に大丈夫なのか」
まずは、最初の一皿が運ばれてきたときの気持ちから。ほとんどの人が、同じことを考えていました。
「運ばれてきたときは正直なところ「鶏肉を生で食って本当に大丈夫なのか」と頭の中に不安がよぎって少し怯えたよ。」60代以上男性・東京都
「最初に抱いた印象は「本当に安全なのだろうか」という強い不安でした。」30代男性・福岡県
「最初は生の鶏肉!?と思いました、鶏の生焼けはやばいと親に言われていたからです。」20代女性・大阪府
「大丈夫なのかな?と少々不安に思いながら食べた記憶があります。」40代女性・富山県
「鶏肉はよく焼くもの」と教わって育った人にとって、生の鶏肉は常識の外にあります。不安になるのは、ごく自然な反応です。
最初の一皿は、だれかに連れられて
では、不安なのに、なぜ食べたのか。答えのほとんどは「人」でした。知人や同僚、上司にすすめられた話が21件。旅行や出張の先で食べた人も15件います。
「最初はおっかなびっくりでしたが、焼鳥とは違った歯ざわりで美味しかったです。」50代女性・埼玉県
「職場の飲み会で出てきてしまって、とにかく我慢して食べたけれど、食べてみたら、めちゃくちゃ美味しかったです。」30代女性・栃木県
「その店舗では鳥刺しはレギュラーメニューだった為、父に勧められるまま食べることにした。」40代男性・北海道
「看板メニューにしている居酒屋で職場の人に勧められておそるおそる食べたが、かなり美味しく、お腹を壊したりもなかった。」30代男性・高知県
「会社の忘年会だったので食べないとわるいかなと思って食べた。思っていたよりは美味しかった。」60代以上女性・京都府
「本当に美味しかったので、それ以降は結構食べるようになりました。」50代男性・三重県
自分で店を探して食べに行った、という記述はほとんどありません。「我慢して」「食べないとわるいかな」という正直な言葉も並びます。鳥刺しは、人づてに広がる料理のようです。
一口目:歯ごたえ、甘い醤油、にんにく
味の記憶でいちばん多かったのは、食感です。歯ごたえや弾力に触れた記述が26件。甘い醤油や薬味を書いた人が11件いました。
「甘口の醤油とおろし生姜、ニンニクの組み合わせが絶品でビックリしました。」40代女性・兵庫県
「甘くてねっとりしていて美味しかったです。」20代女性・大阪府
「コリコリと弾力があり、非常においしかったことを覚えている。」60代以上女性・北海道
「これまで食べた事のない食感と味わいだったので、気に入って思わず追加で2皿も注文してしまいました。」30代男性・大阪府
「胡麻油と塩で食べる鳥刺しは絶品です。」20代男性・宮崎県
「ワサビをつけて食べるのが本当に美味しくて、鶏肉との相性が抜群だったのが印象に残っています。」40代男性・神奈川県
「想像以上にあっさりしていて食べやすく、地元の焼酎と一緒に味わった思い出が特に印象に残っています。」50代男性・長野県
甘い醤油ににんにく、ごま油と塩、わさび。食べ方は人それぞれでした。九州の甘い醤油に驚いた、という県外の人の声が目立ちます。
南九州では日常、県外では驚き
鹿児島や九州に縁のある人の記述を読むと、同じ料理でも見え方がまったく違います。
「日常的に食卓に並んでいたので、県外ではあまり食べられていないこと、珍しいことに驚いた。」30代女性・神奈川県・鹿児島出身
「何年か九州を離れたとき、どこのスーパーにも売っていなくて残念でした。」50代女性・福岡県
「鹿児島に住んでいるので、いつでも食べることはできますが、いつも決まった店からの購入」60代以上女性・鹿児島県
一方、県外から来た人はこうです。
「思っていたよりも食べやすくて驚いた覚えがある。後スーパーで売っていることにも衝撃を受けた。(鹿児島県にて)」20代男性・兵庫県
「福岡県に住んでいますが出身は東京都です。鳥刺しはこちらに来て初めて知りました。」60代以上男性・福岡県
「また食べたいけれど大阪へ戻ってきてしまったので早々たべられません。悲しいです。」20代女性・大阪府
地元を離れて初めて「これは珍しい料理だったのか」と気づく人。引っ越してきて初めて知る人。そして、離れてから恋しくなる人。
続けて食べる人の「決めごと」
年に何度も食べる人の記述には、共通点がありました。食べる店と、食べるときの体調を、自分で決めています。信頼できる店や専門店でだけ食べる、という記述は17件です。
「鳥刺しは美味しいが食中毒のリスクがあるので余程信用のある店でしか食べない。」50代男性・奈良県
「ただ食中毒の危険があるので、食べるときは自分の体調が万全なとき、専門店でいただくようにしています。」30代女性・千葉県
「鶏刺しは「新鮮だから」食べられるわけではないので、他県民の皆様、特に飲食店勤務の方は勘違いしないようにして欲しい。」30代女性・鹿児島県
「大事な行事やイベントが控えているなら食べない方が良いです。」20代男性・岡山県
店の側から説明を受けた、という人もいました。
「お店の人から食中毒リスクについての説明と、体調の確認があってから提供されました。」40代男性・滋賀県
「店からは早く食べるように言われました。」40代女性・北海道
好きな人ほど、リスクをよく知っています。「新鮮だから大丈夫」ではない、という鹿児島の人の言葉は、県外の人にこそ読んでほしい一文です。
食べるのをやめた人の理由
食べたことはあるが、もう食べたくない。そう答えた人は、経験者の19.3%でした。理由は、味ではありません。
「美味しいと知っていますが、知り合いがあたったと聞いてから、食べるのを躊躇するようになりました」30代女性・山口県
「鳥刺しは好きで昔はよく食べていた。しかし、最近になって、カンピロバクターやギランバレー症候群のことを知り、怖くなって一切食べなくなった。」30代女性・東京都
「味はおいしかったが命がけでまたたべたいと思うほどのものではなかったのでもう食べることはないと思う。」40代女性・北海道
自分が体調を崩した、と書いた人も複数いました。記述からは原因を確かめられないため、件数は出していません。ただ、鶏肉の生食に食中毒のリスクがあることは、厚生労働省も注意を呼びかけています。
子どもや高齢者、妊娠中の人、体調がすぐれない人は、控える判断が必要です。原因と防ぎ方は、次の記事にまとめています。

出典:厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
まだ食べていない人は、こう想像している
食べたことがない人の記述も、読んでいて楽しいものでした。想像の中の鳥刺しは、なかなかおいしそうです。
「火が通りすぎた鶏肉はパサパサするのできっとプリっとして柔らかくておいしいんだろうなと想像だけはしています。」40代女性・千葉県
「先輩が九州出身で、鳥刺しがめっちゃ美味しいと言ってたのが印象に残ってます。」30代男性・埼玉県
「以前居酒屋さんで初めてレバ刺しを恐る恐る食べた時にあまりの美味しさに感動したのを思い出しました。」50代女性・東京都
「でも、お酒が飲めないのでランチで提供してくれるお店がいいです。」50代女性・香川県
「鳥刺しと牛刺しがあったら、牛を選んでしまいます。」30代女性・岐阜県
「話しの種に、1口でもいいから食べたいとは感じる。」40代男性・埼玉県
もちろん、食べないと決めている人もいます。
「鳥はよく火を通さないと食べてはいけないイメージがあるので、いくら衛生基準があっても、自分は食べるのを控えると思います。」30代女性・京都府
「生で食べる鶏肉料理に対して衛生基準があるかもしれませんが、ヒューマンエラーはあるものです。」50代男性・愛知県
食べる人も、食べない人も、理由をきちんと持っていました。どちらの判断も、まっとうだと思います。
引用は、回答の一部をそのまま載せています。読みやすくするために、句読点の表記だけを整えました。
アンケートのほかの結果
声の背景にある数字は、まとめ記事で一覧できます。調査の方法や、回答者の内訳も載せています。

全国487人アンケートの記事
- 結果のまとめと調査の概要
- 鳥刺しといえば宮崎?鹿児島?
- 食べたことがある人は何割?
- 食べない理由と「食べてみたい」人
- 法律で禁止?リスクは知られている?
- 初めて食べた日の話(回答者の声)(この記事)
このアンケートは、鳥刺しを食べることをすすめる目的のものではありません。数字とグラフは、出典として「トリサシサツマ」の名前とリンクを付ければ引用できます。